何をどう変えればいいのか、分からなかった
菊地先生と初めてお会いしたのは、今から約15年前です。
当時の私は、商売も会社経営も思うようにいかず、毎日ただ目の前の仕事をこなすことに精一杯でした。
「このままで会社は大丈夫なのか」
「何から手をつければいいのか」
「誰に相談すればいいのか」
答えの見えない不安を抱えながら、前に進んでいたのだと思います。
そんなとき、知り合いの社長から、「聞き上手な税理士がいるから、一度相談してみたらどうですか」と紹介されたのが菊地先生でした。あのときの私は、まさにわらにもすがる思いでした。
税金の話だけでは終わらない。私たちの人生の話を聞いてくれた
初めてお会いして驚いたのは、菊地先生が会社の数字だけを見ている方ではなかったことです。
仕事の悩み。
夫婦で意見が食い違う苦しさ。
日々、胸の奥に溜まっていく不安。
そして、いつか叶えたいと思っていた夢。
ときには愚痴のような話もあったと思います。
それでも菊地先生は、途中で話を遮ることも、一方的に正解を押しつけることもありませんでした。
まず、しっかりと話を聞く。
そして、絡まっていた気持ちや課題を、一つずつ整理していく。
最後には必ず、こう問いかけてくれました。
「それでは、これからどうしましょうか」
この言葉に、何度も救われました。
話しているうちに、自分たちが本当に困っていることや、目を背けていたこと、そして次にやるべきことが、少しずつ見えてきたのです。
「社長が配達を続けていていいのですか」
当時、私は自分で商品の配達をしていました。もちろん必要な仕事です。
けれど、配達に時間を取られ、社長として考えるべきこと、向き合うべきことに、十分な時間を使えていませんでした。
そんな私に菊地先生は、こう言いました。
「社長が配達を続けるのではなく、任せられる人が必要なのではないですか」
人を雇うことには、不安がありました。
売上は大丈夫か。
人件費を払えるのか。
本当に任せていいのか。
それでも背中を押していただき、人材に詳しい経営者の方まで紹介してくださいました。配達を任せられる人が見つかり、私はようやく、社長にしかできない仕事に時間を使えるようになりました。
すると、会社の流れが変わりました。事業の幅が広がり、売上も少しずつ伸びていったのです。
ただ相談に乗るだけではない。必要なご縁までつないでくださったことに、今でも深く感謝しています。
数字は、経営者を責めるものではなかった
菊地先生から、ずっと言われてきた言葉があります。
「数字を味方にしましょう」
最初は、その意味がよく分かりませんでした。
しかし毎月、数字やグラフを見ながら会社の状態を振り返るうちに、少しずつ分かるようになりました。
数字は、頑張りを否定するためのものではない。
どこが良くなっているのか。
どこに課題があるのか。
次に、どこへ力を注げばいいのか。
それを静かに教えてくれる、経営の羅針盤だったのです。良い結果が出れば、自信になる。思うようにいかないときも、早く気づければ手を打てる。感覚だけで走っていた私たちが、数字を見ながら未来を考えられるようになったことは、大きな変化でした。
「その行動は誠実ですか」
その問いが、会社の土台になった
菊地先生の言葉で、今も私たち夫婦の合言葉になっているものがあります。
「その行動は誠実ですか」
目先の売上や利益だけを追いかけるのではなく、
お客様に対して。
取引先に対して。
そして、自分たち自身に対して。
本当に誠実な行動ができているかを考えるようになりました。
その積み重ねの先で、廃業される同業者の方から、「あなたなら安心して任せられるから、お客様を引き継いでほしい」と声をかけていただくことがありました。
信頼は、すぐに手に入るものではありません。けれど誠実に向き合い続けていれば、いつか誰かが見ていてくれる。そんなことを、経営を通じて学ばせていただきました。
あの日に語った夢が、現実になった
15年前。
私は菊地先生に、「いつか新しい家を建てたい」という夢を話しました。当時の状況から考えれば、無理な夢だったかもしれません。自分たちでも、どこかでそう思っていました。
それでも菊地先生は、「夢を持つのは自由です。そこを目指していきましょう」と言ってくれました。時間はかかりました。けれど今、その夢だった新しい家で暮らしています。菊地先生と出会っていなければ、今の会社も、この家もなかったかもしれません。
経営には、これからも迷うことや、乗り越えるべき壁があると思います。それでも私たちは、数字を確認し、失敗も次の一歩に変えながら、これからも前に進んでいきます。
菊地税理士事務所は、私たちにとって税理士事務所という枠を超えた、人生と経営を一緒に考えてくれる心強い伴走者です。
